症例は66歳の女性.2007年7月左肺腺癌にて左肺S6区域切除施行,経過観察中(pT1aN0M0 stageIA).2011年7月CTにて左下葉S10に10mm大の結節陰影を認めた.悪性腫瘍を疑い,胸腔鏡下にて部分切除を行った.術中迅速診断にて悪性所見はなく,最終診断は肺クリプトコッカス症の診断であった.肺クリプトコッカス症は基礎疾患がなくても感染し,術前診断は血清クリプトコッカス抗原も陰性を示すことが多く困難と言われる.また孤立性ではさらに陽性率は低下すると言われ,今回の症例でも血清クリプトコッカス抗原は陰性であった.よって悪性を考慮した場合は今回のような診断的治療を兼ねた胸腔鏡手術は有用と考える.