抄録
症例は50歳,男性.左側腹部痛を主訴に前医を受診し,同部に腫瘤を指摘され紹介となった.初診時に左下腹部に圧痛を伴う可動性不良な腫瘤を触知した.血液生化学検査では炎症反応の上昇と軽度貧血を認めた.CTでは下行結腸背側に手拳大の腫瘍を認め,内部は均一で一部に石灰化を伴っていた.MRIではT1強調・T2強調像で腫瘍は不均一な高信号を示した.後腹膜腫瘍と診断し,下行結腸と一塊に腫瘍を切除した.腫瘍は10.5×7.0×7.0cm,割面は充実性で白色調の部位と黄色調の部位が混在していた.病理組織学検査では紡錘形細胞が車軸状に増殖する像を認め,悪性線維組織球腫に類似した所見であった.CDK4およびMDM2が陽性で,腫瘍内には骨肉腫と平滑筋肉種の成分も認め,骨肉腫と平滑筋肉腫への分化を示す脱分極型脂肪肉腫と診断した.