抄録
症例は75歳,男性.胆管炎症状にて発症.内視鏡にて十二指腸乳頭部に径1.5cm大の不整な隆起性病変を認め,中心陥凹を伴っていた.生検にて腺癌と診断された.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を行った.病理組織にて粘膜表層に腺癌が増殖し,浸潤部では内分泌細胞癌が増殖していた.移行帯もみられ,腺内分泌細胞癌と診断された.pT2(pPanc0,pDu1),pN1,M(-) fStage IIIであった.術後腹膜転移にて再発したもののS-1内服による化学療法を行い,術後51カ月経過した現在,生存中である.
十二指腸乳頭部原発の腺内分泌細胞癌はまれな疾患で,本邦報告例は自験例を含め18例である.悪性度が高く予後は不良である.再発形式は肝転移が多いが,腹膜転移は自験例が初めてであった.本邦報告例とともに文献的考察を加え報告する.