日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝膵十二指腸切除後5年生存した82歳肝門部胆管癌の1例
小林 真一郎高橋 祐江畑 智希横山 幸浩伊神 剛梛野 正人
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2012 年 73 巻 12 号 p. 3266-3271

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抄録

症例は82歳の女性で,肝門部胆管癌に対して肝右葉尾状葉切除,肝外胆管切除再建術を施行した.術中迅速病理組織診断で肝側胆管断端は陰性であったが,十二指腸側胆管断端は浸潤癌陽性であった.2cm追加切除を行ったが癌陰性にはできず,膵頭十二指腸切除術を追加した.術後合併症は,膵液漏と胸水貯留を認めたが術後46日目に軽快退院した.病理組織学的検査所見では,高分化管状腺癌でリンパ節転移は認めなかった.現在まで,術後5年6カ月無再発で外来経過観察中である.80歳台の高齢者肝門部胆管癌に対する肝膵十二指腸切除後,5年間無再発生存の報告は少なく,文献的考察を加えて報告した.

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© 2012 日本臨床外科学会
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