日本臨床外科学会雑誌
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症例
食道腕頭動脈瘻閉鎖術後の縦隔膿瘍の1例
梶浦 耕一郎福本 泰三
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2012 年 73 巻 2 号 p. 319-322

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抄録
食道癌術後縫合不全による食道腕頭動脈瘻を縫合止血した際に使用したpledgetの感染が原因で5年後に難治性上縦隔膿瘍を引き起こした症例を報告する.
71歳男性.食道癌にて食道切除,3領域郭清,頸部食道胃管吻合,左肺・横隔膜合併切除を施行した.Lt,SCC,type2,pT3N2M0IM0 stage IIIであった.第11病日に縫合不全を認め,第24病日に感染性食道腕頭動脈瘻をきたした.PTFE pledgetを用いて腕頭動脈を直接縫合した.術後縦隔炎となったが,縦隔郭清・大胸筋弁充填にて軽快した.術後5年半後に難治性上縦隔膿瘍をきたした.CTで膿瘍内に感染性異物であるpledgetを認めたため,その半年後に上縦隔膿瘍郭清術施行した.腕頭動脈損傷なく,pledgetを含む膿瘍を郭清しえた.術後経過は良好で第14病日に軽快退院し,約3年間縦隔膿瘍の再発を認めず,食道癌の再発も認めない.
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© 2012 日本臨床外科学会
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