日本臨床外科学会雑誌
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症例
13年間の経過観察の後に摘出した副腎骨髄脂肪腫の1例
長谷 諭三好 信和片山 晃子田原 浩布袋 裕士前田 佳之佐々木 なおみ
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2012 年 73 巻 3 号 p. 685-688

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抄録
症例は65歳,女性.13年前,乳癌手術前のCTで右副腎に腫瘤を指摘された.血液生化学,内分泌学的検査は正常だった.CTで径2.5cm大の内部に脂肪成分を含んで不均一な境界明瞭平滑な腫瘤を認めた.良性腫瘍が考えられたため経過観察を行った.3年後のCTで腫瘍径が3cmと増大した.MRIではT1およびT2強調像で不均一な高信号を呈する腫瘤だった.CTガイド下生検を行い骨髄脂肪腫と確定診断した.その後も徐々に増大がみられ,10年後に腫瘍径7cmとなり腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.腫瘍は表面平滑で,組織学的に副腎骨髄脂肪腫と診断した.術後経過良好で術後5日目に退院した.副腎骨髄脂肪腫は非機能性良性腫瘍であり治療選択が問題となる.経皮的生検の後に経過観察を行った報告は散見されるが13年もの長期に経過観察した報告はなく,また7cm大に増大し最終的に手術に至った貴重な症例と考えられ,文献的考察を加えて報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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