抄録
症例は65歳,女性.臍下方の無痛性皮下腫瘤を主訴に当院を受診した.初診時の血液検査でCA125の高値を認めた.CT,MRI検査で臍下方の皮下から腹腔内に至る50mm大の分葉状腫瘤を認め,さらに上行結腸背側や大網,骨盤底にも多発する結節性病変を認めた.子宮卵巣には明らかな異常を認めなかった.FDG-PET検査では,臍下方にSUVmax 12.6の強い集積を認め,腹腔内にも強い集積を伴う腫瘤を多数認めた.腹壁腫瘤の穿刺吸引細胞診でClass Vと診断されたが原発の特定は困難であり,手術を施行した.腹壁腫瘤を切除し,開腹したところ,播種結節が上行結腸に浸潤していたため結腸右半切除術を行い,腹腔内の播種結節を可及的に切除した.病理組織学的検査で腫瘍細胞の乳頭状増殖を認め,腹膜原発漿液性乳頭状腺癌と診断された.術後化学療法(TC療法)を行い,術後6カ月現在,再発なく生存中である.