日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹部腫瘤で発症した広範な腹腔内転移を伴う腹膜原発漿液性乳頭状腺癌の1例
西野 豪志片山 和久高橋 裕兒田中 隆
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2012 年 73 巻 3 号 p. 699-704

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抄録
症例は65歳,女性.臍下方の無痛性皮下腫瘤を主訴に当院を受診した.初診時の血液検査でCA125の高値を認めた.CT,MRI検査で臍下方の皮下から腹腔内に至る50mm大の分葉状腫瘤を認め,さらに上行結腸背側や大網,骨盤底にも多発する結節性病変を認めた.子宮卵巣には明らかな異常を認めなかった.FDG-PET検査では,臍下方にSUVmax 12.6の強い集積を認め,腹腔内にも強い集積を伴う腫瘤を多数認めた.腹壁腫瘤の穿刺吸引細胞診でClass Vと診断されたが原発の特定は困難であり,手術を施行した.腹壁腫瘤を切除し,開腹したところ,播種結節が上行結腸に浸潤していたため結腸右半切除術を行い,腹腔内の播種結節を可及的に切除した.病理組織学的検査で腫瘍細胞の乳頭状増殖を認め,腹膜原発漿液性乳頭状腺癌と診断された.術後化学療法(TC療法)を行い,術後6カ月現在,再発なく生存中である.
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© 2012 日本臨床外科学会
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