日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
妊娠を契機に急速に増大した乳腺葉状腫瘍の1例
古屋 信二三浦 和夫相川 琢磨中込 博大森 征人小山 敏雄
著者情報
キーワード: 乳腺葉状腫瘍, 妊娠
ジャーナル フリー

2012 年 73 巻 4 号 p. 780-785

詳細
抄録
症例は32歳,女性.第1子妊娠時より右乳腺に腫瘤を認めた.出産後授乳中に当院を受診.右乳房C領域に直径約5cmの弾性軟・可動性良好の腫瘤を認めた.腋窩・鎖骨上窩にリンパ節は触れなかった.針生検を施行し線維粘液腫様間質組織の結果であった.完全に悪性を否定できないため,授乳終了後に腫瘤摘出生検を予定したが,第2子を妊娠したため延期とした.その後約3カ月で腫瘍は急速に増大し直径15cm大となったため再度受診,手術目的に産科・小児科のある総合病院に紹介となった.確定診断はなされていなかったが,乳腺葉状腫瘍の疑いで,妊娠安定期に右胸筋温存乳房切除術・右腋窩リンパ節サンプリングを施行した.術後病理組織診断は,境界型の葉状腫瘍であり,リンパ節転移は認めなかった.術後経過は良好で無事第2子を出産,現在再発は認めていない.今回,妊娠を契機に急速に増大した乳腺葉状腫瘍の症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
著者関連情報
© 2012 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top