日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下胃切除後の膵十二指腸動脈瘤十二指腸穿破の1例
橋本 佳和比企 直樹布部 創也谷村 愼哉佐野 武山口 俊晴
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2012 年 73 巻 4 号 p. 852-856

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抄録
症例は81歳,男性.前医にて早期胃癌に対し内視鏡的粘膜下層剥離術を施行,病理結果にてsm浸潤を認め,リンパ節郭清を含めた追加胃切除の目的で当院に紹介となった.手術は腹腔鏡下幽門側胃切除D1+8a,9,11p郭清,Roux-Y再建を施行,術後炎症所見の遷延を認め,腹部CTで膵周囲炎と腸間膜脂肪織炎と診断し抗菌剤を投与していた.術後25日目に上腹部痛と多量の下血を認め出血性ショックに至り,腹部CTにて膵頭部前面の類円形に造影される動脈瘤と十二指腸内への造影剤の漏出を認めた.腹腔動脈造影で前上膵十二指腸動脈瘤から十二指腸内腔への造影剤の血管外漏出があり,塞栓術にて止血した.膵十二指腸動脈瘤は腹部内臓動脈瘤の約2%とまれで,破裂例では後腹膜への出血が多く,十二指腸内への穿破は10%以下である.腹腔鏡下幽門側胃切除後に前上膵十二指腸動脈瘤が十二指腸内に穿破し出血性ショックに至り,動脈塞栓術にて救命しえた1例を経験したので報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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