日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸腔鏡下全幹迷走神経切離で改善した膵頭十二指腸切除術後の難治性吻合部潰瘍の1例
篠田 知太朗小村 伸朗田中 知行吉田 和彦柏木 秀幸矢永 勝彦
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2012 年 73 巻 4 号 p. 857-862

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抄録
症例は70歳代の女性.胆管癌に対して膵頭十二指腸切除術の既往がある.また術後深部静脈血栓症のため,以降ワルファリンカリウムを内服中であった.2010年3月に直腸癌を指摘され腹会陰式直腸切断術を施行.術後人工肛門からの下血と重度の貧血を認め,胃空腸吻合部空腸側の出血性潰瘍と診断,プロトンポンプ阻害薬(PPI)の投与にて軽快した.2010年6月に再出血を認めたため,夜間入眠時にヒスタミンH2受容体拮抗薬をPPIに併用投与した結果,改善した.しかし8月上旬に再度出血したため,保存的治療は限界と判断し胸腔鏡下全幹迷走神経切離術を施行した.術後,消化管運動が減弱したが,保存的に軽快した.以降は潰瘍の再燃なく,PPI投与で外来経過観察中である.難治性吻合部潰瘍に対して胸腔鏡下全幹迷走神経切離術が施行された例は稀であり,文献的考察を含めて報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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