日本臨床外科学会雑誌
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症例
後腹膜への虫垂憩室穿通により発見された早期原発性虫垂癌の1例
内田 恒之平能 康充吉田 周平加藤 秀明俵矢 香苗渡辺 透
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2012 年 73 巻 5 号 p. 1144-1148

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抄録
原発性虫垂癌は比較的まれな疾患であり,自覚症状も乏しいため,診断時には進行癌であることが多い.今回われわれは,虫垂憩室の後腹膜穿通を契機に比較的早期に発見された原発性虫垂癌の1例を経験したので報告する.患者は72歳の女性.右下腹部痛を主訴に来院した.腹部CT検査で急性虫垂炎の穿孔による腹腔内膿瘍と診断し手術を施行した.術中所見では虫垂が後腹膜と癒着し膿瘍を形成していた.虫垂の高度な壁肥厚と膿の性状より虫垂腫瘍を否定できず,また虫垂切除断端の安全な処理が困難と判断したため回盲部切除術を施行した.病理組織学的に虫垂間膜側の憩室穿孔と粘膜下層に浸潤する乳頭腺癌を認め,憩室が癌による内腔の閉塞に伴う内圧の上昇により後腹膜に穿通し膿瘍形成したものと診断した.併存した虫垂間膜の膿瘍腔内に癌細胞を認めたため,術後補助化学療法を施行しつつ外来にて経過観察中であるが,30カ月経過した現在無再発生存中である.
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© 2012 日本臨床外科学会
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