抄録
症例は57歳の男性で,2001年に食道GISTに対して,食道亜全摘術施行した.腫瘍はc-kit(+),CD34(+),α-SMA(+)で最大径5cm,核分裂像は50/50HPFでありFletcher分類高リスクであった.その後は無治療で経過観察していた.2009年末頃より右上腕骨の痛みを主訴に骨腫瘍が発見され,右上腕骨切除を施行した.組織はc-kit(+),CD34(+),α-SMA(-)でGISTの転移であった.2010年8月にCTにて骨盤内に約6cmの嚢胞性腫瘤を指摘され,手術施行したところTreitz靱帯より40cmの空腸に管外発育型の嚢胞性腫瘤を認め,小腸楔状切除を施行した.組織はc-kit(+),CD34(-),α-SMA(+),核分裂像は2/50HPFで中リスクであった.核分裂像,免疫染色の結果から食道および小腸GISTが異時性に発生し,上腕骨への転移は食道が原発と考えられた.