日本臨床外科学会雑誌
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症例
小腸合併切除を要したparasitic leiomyomaの1例
石野 信一郎砂川 宏樹大城 直人
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キーワード: 子宮筋腫, 寄生筋腫
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2012 年 73 巻 7 号 p. 1808-1812

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抄録

Parasitic leiomyoma とは,子宮平滑筋腫が子宮から分離し他臓器に生着するまれな疾患であり,多くは有茎性子宮漿膜下筋腫の茎が分離して発生するとされる.今回われわれは,小腸に生着し合併切除を行った parasitic leiomyoma の1例を経験したので報告する.症例は51歳女性.特に既往歴はなし.下腹部痛と腹部膨満感にて近医を受診し,腹腔内腫瘤を疑われ当院紹介となった.CTおよびMRI検査で子宮左上方に腫瘤性病変を認め,子宮筋腫や左卵巣腫瘍を疑われ手術となった.開腹すると充実性軟の褐色腫瘍が回腸と腸間膜に癒着していた.子宮や卵巣とは連続性を認めず,小腸腫瘍も否定できなかったため小腸合併切除を行った.子宮には複数の筋腫を認めた.術後病理検査でparasitic leiomyomaと診断された.

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© 2012 日本臨床外科学会
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