抄録
症例は60歳,女性.乳癌検診精査目的のCTにて50mm大の孤立性脾腫瘤を指摘された.各種画像診断では異常所見を認めず,他臓器悪性疾患の脾転移の可能性は否定的であった.脾悪性リンパ腫を疑い,診断確定のために腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.病理組織診断では非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めサルコイドーシスを考えるべき所見であったが,その他の臨床所見・検査所見から診断基準は満たさなかった.しかし,今後肺病変や心病変といった他臓器に同様病変が出現することでサルコイドーシスの診断基準を満たす可能性もあり,脾サルコイドーシスと類似した病態であると考えた.サルコイドーシスは全身性疾患で,脾のみに病変を認めることは稀であり報告する.