抄録
目的:乳腺組織の質的な診断には,針生検(CNB)や穿刺吸引細胞診(ABC)が行われているが,感度・特異度ともに100%には至っていない.正診率を上げるために,CNB施行時に捺印細胞診を同時に行っている.CNBでは良性であるにもかかわらず捺印細胞診では悪性を疑い,Mammotome®などを追加することにより悪性の診断に至るケースもある.
方法:乳腺腫瘤組織生検1,114症例を対象,CNBに併用した捺印細胞診の有用性を検討した.
結果:1,114症例のうちCNB陽性549例,陰性565例であった.CNB陰性で捺印細胞診にて悪性が疑われた症例は20例であり,18例が実際に悪性であった.捺印細胞診とCNBの組み合わせにより100%の感度(567/567)と99.6%の特異度(545/547)を得た.
結論:乳癌組織のCNBにおける捺印細胞診は,正確な治療前診断への寄与が期待できる.