抄録
目的:乳癌におけるセンチネルリンパ節生検(SNB)の普及に伴い,微小転移が同定される症例が増加しているが,その取り扱いについてはcontroversialである.本稿では,当院における微小転移例を解析し,郭清省略の可能性について検討した.
方法:2001年1月から2011年3月の間のSNB施行1,177例のうち,微小転移を認めた81例を対象とし,臨床病理学的背景因子,郭清の有無別に予後を検討した.
結果:観察期間の中央値は5.6年で,郭清群(53例),非郭清群(28例)のいずれも腋窩再発はなかった.郭清群,非郭清群において5年無再発生存率は各々86.8%,82.8%(p=0.3466),全生存率は各々94.7%,100%(p=0.8948)で有意差を認めなかった.
結論:本研究では両群間の長期予後に有意差は認めず,微小転移では症例を選択すれば腋窩郭清省略の可能性が示唆された.