抄録
症例は78歳,男性.入院時より嚥下機能低下から誤嚥性肺炎を繰り返しPerformance Status低下,高度低栄養の状態.肺癌,食道癌,進行胃癌疑いにて治療予定されるも全身状態改善を優先するため腸瘻造設術を施行.術後10日目の胸腹部単純CTにて腸瘻施行同部位にtarget signを認め腸重積が疑われた.透視下にて解除行うもその7日後に再重積をきたしたため開腹にて腸重積整復を施行.開腹所見では腸瘻刺入部から10cm肛門側の位置から20cmに渡り腸重積を認め腸切除を行うことなく徒手整復可能であった.経過良好にて術後29日目に退院.腸瘻造設術に関連した腸重積は非常に稀な合併症であるが,本症例は低栄養患者での菲薄化した腸管,腸瘻造設手技,短期間での複数回の開腹歴が要因となり2回に及ぶ腸重積をきたしたものと考えられた.腸瘻造設術に関連した稀な腸重積症の1例を経験したため文献的考察を加え報告する.