日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡補助下手術を施行したSpigelヘルニアによる腸管皮膚瘻の1例
前田 恒宏吹上 理藤田 洋一佐々木 政一
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2012 年 73 巻 8 号 p. 2143-2147

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抄録
Spigelヘルニア部へ嵌頓した回腸の壊死によって生じた腸管皮膚瘻に対し,腹腔鏡補助下に治療しえた1例を経験したので報告する.症例は87歳の男性.2009年11月より原因不明の腹痛・下痢・嘔吐・食欲不振などの消化器症状を繰り返していた.2010年2月5日左下腹部に腫瘤を認め他医療機関を受診.腹壁筋層内の膿瘍と診断され,切開・排膿処置後当院へ紹介となった.創処置17病日に便臭を伴う排膿を認め,膿瘍腔造影検査を実施した.その結果,膿瘍腔と小腸との交通を確認した.1週間の絶食により膿瘍腔自体は縮小したが,その口側小腸の拡張が残存していたため,24病日に腹腔鏡補助下に手術を施行した.腹腔鏡ではSpigel腱膜に合致した左下腹壁へ強固に嵌頓・癒着した小腸を認めた.腹腔側よりこれを剥離し,瘻孔部を中心に小開腹下に嵌頓小腸の部分切除を行った.術後経過は良好で,術後11日に退院した.
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© 2012 日本臨床外科学会
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