日本臨床外科学会雑誌
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症例
T1空腸癌による成人腸重積症の1例
村上 智洋松本 圭五深澤 貴子落合 秀人鈴木 昌八北村 宏
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キーワード: 腸重積症, 空腸癌, 早期癌
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2012 年 73 巻 9 号 p. 2300-2305

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抄録
症例は34歳,女性.心窩部痛,嘔吐にて来院した.腹部CTで上腹部にmultiple concentric ring signを呈する,腸重積による腫瘤像と口側の腸管拡張を認めた.嵌入腸管は造影不良であり,先進部と考えられる器質的異常は不明であった.腸重積症による絞扼性イレウスと診断し,緊急手術を行った.Treitz靱帯から90cmの部位から空腸が35cm重積している所見を確認した.摘出した重積腸管長は105cmであり,嵌入腸管に虚血性変化を認めた.口側腸管切断端付近には径34mmの0-Isp型腫瘍が存在した.病理組織学的には腫瘍は,深達度smの高分化型腺癌で,静脈侵襲を認めたが,リンパ節転移はなかった.術後18カ月経過した現在,無再発生存中である.成人腸重積の診断,治療では小腸癌の存在を念頭に置く必要がある.
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© 2012 日本臨床外科学会
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