日本臨床外科学会雑誌
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症例
非典型的な嵌入様式を示した大網裂孔ヘルニアの1例
坂下 克也寺岡 均豊川 貴弘金原 功
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2012 年 73 巻 9 号 p. 2444-2447

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抄録
大網に生じた異常裂孔に腸管が嵌入する大網裂孔ヘルニアは比較的まれな疾患であり,迅速な診断と手術加療を要する.本疾患は大網の背側に小腸が存在するため,通常腸管は背側から腹側へ嵌入する.今回われわれは非典型的に腹側から背側へ嵌入した症例を経験したので報告する.症例は66歳,男性.30年以上前に急性虫垂炎の手術既往あり.嘔気,嘔吐を主訴に前医を受診し,イレウスの診断で当科紹介となった.入院の上,イレウス管を留置するも症状の改善なく,手術加療を行った.大網右側に裂孔を認め,Treitz靱帯より約140cmの小腸が腹側から背側へ20cmに渡って嵌入していた.嵌入壊死した小腸を切除するとともに,異常裂孔部の大網を切除した.術後合併症なく,軽快退院した.われわれの検索しえた範囲では,腹側から背側へ腸管が嵌入した大網裂孔ヘルニアは本邦でこれまで1例しか報告されておらず,自験例が2例目であった.
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© 2012 日本臨床外科学会
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