抄録
胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of bile duct;以下,IPNBと略記)は比較的まれな胆管腫瘍で,近年世界的に認識されつつあるが,診断困難であった症例もしばしば報告されている.一般的にIPNBは胆管拡張を伴う症例がほとんどだが,今回われわれは画像上胆管拡張所見を伴わなかった,IPNB由来の粘液産生肝内胆管癌の1切除例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は56歳の男性で,健診の腹部超音波検査で肝S4の腫瘍を指摘された.CT,MRIでも診断困難であり経過観察されていたが,徐々に腫瘍の増大傾向を認めた.初診17カ月後のFDG-PETで腫瘍に一致した集積を認めた.肝悪性腫瘍の診断で拡大肝左葉切除術を施行した.病理組織学的にIPNB由来の粘液産生肝内胆管癌と診断された.