2013 年 74 巻 1 号 p. 201-206
症例は59歳,女性.近医にて肝腫瘍を指摘されて当院紹介となった.腹部造影CTにて肝外側区域を占める長径10cm大の分葉状腫瘤性病変を認め,肝内胆管癌と診断した.明らかなリンパ節転移は認めなかったものの,FDG-PETでは高集積(SUV max=15.30)を呈する腫瘍であり,悪性度の高い腫瘍と考えられた.同症例に対し,肝拡大外側区域切除術を行った.病理組織所見で低分化の胆管細胞癌と診断され,一部に肉腫様変化を伴っていた.免疫組織化学染色ではCK7陽性,VimentinおよびCK19陰性であった.Ki-67 Labelling Indexは28%と高値であり,細胞増殖能の亢進を反映していると考えられた.術後経過は良好で,GEMにより術後補助化学療法を施行し,術後1年現在,無再発生存中である.肉腫様変化を伴う肝内胆管癌は予後不良な疾患であり,FDG-PETでの集積との関連は報告されていない.今回,FDG-PETで高集積を呈した1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.