日本臨床外科学会雑誌
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症例
脳室腹腔シャント症例にみられた特発性腸間膜静脈硬化症の1例
福島 正之鈴木 雅行伊藤 清高川村 武史矢野 智之
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2013 年 74 巻 10 号 p. 2792-2795

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抄録
特発性腸間膜静脈硬化症(idiopathic mesenteric phlebosclerosis)は,1993年に岩下らにより提唱された疾患で日本人を中心としたアジア人に報告が多い.今回,われわれは脳室腹腔シャントを有する特発性腸間膜静脈硬化症に対して腹腔鏡下結腸亜全摘術を施行したので報告する.
症例は63歳の女性,腹部膨満が持続するため精査目的に入院となった.腹部CT検査で盲腸から上行結腸の著明な壁肥厚あり,口側の小腸の拡張あり,腸閉塞を呈していた.また,右側結腸間膜内に線状の石灰化を多数認め,特発性腸間膜静脈硬化症が疑われた.大腸内視鏡検査では,下行結腸から口側に暗紫色調の粘膜を認め,横行結腸で内腔の狭窄化・硬化あり,口側への内視鏡挿入は困難であった.2カ月間保存的治療するも改善なく,腹腔鏡下結腸亜全摘術を施行した.病理所見で特発性腸間膜静脈硬化症と診断された.脳室腹腔シャントを有する特発性腸間膜静脈硬化症に外科的治療が必要であった症例を経験したので報告した.
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© 2013 日本臨床外科学会
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