日本臨床外科学会雑誌
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症例
Upside down stomach型食道裂孔ヘルニアの1例
野中 健一杉山 太郎天岡 望加藤 浩樹白子 隆志吉田 和弘
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2013 年 74 巻 11 号 p. 3016-3021

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抄録
症例は86歳の女性で,呼吸苦と喘鳴を主訴に高山赤十字病院救急外来を受診した.血液検査では貧血と低栄養,CTでは縦隔内にほぼ全体が脱出した胃と両側の胸水を認めた.以上より,貧血・低栄養・両側胸水を伴う高齢者upside down stomach型食道裂孔ヘルニアと診断し,開腹術を施行した.ヘルニア門は径約8cmで横行結腸の一部と胃の全体が縦隔内に脱出していた.ヘルニア門の閉鎖,胃の腹腔内への固定,Nissenの逆流防止術を施行した.術後,胃潰瘍による幽門輪の狭窄を確認したため,2度バルーン拡張術を施行し,食事摂取は良好となった.全身状態の悪い症例に対しては,まず併存疾患の治療を行って状態を改善させることが重要である.続いてヘルニアを解除し,必要に応じて二期的に幽門形成術やバイパス等の処置を行うことが安全と考えられた.
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© 2013 日本臨床外科学会
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