日本臨床外科学会雑誌
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症例
保存的に治療した胃壁内気腫症の1例
山村 謙介井上 耕太郎箕田 誠司金光 敬一郎
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2013 年 74 巻 11 号 p. 3034-3039

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抄録
症例は79歳,女性.前夜からの上腹部痛と嘔吐のため当院へ救急搬送された.心窩部に強い圧痛があり,造影CTでは胃角部から幽門部にかけて全周性の著明な壁肥厚と壁内にガス像を認めた.胃壁自体の造影は良好であった.上部消化管内視鏡検査では胃前庭部大弯に3mm大の小潰瘍を認めた.胃壁内気腫症と診断したが,諸検査からは積極的に胃壊死を疑う所見がなかったため,保存的治療を行うこととした.経鼻胃管による減圧とPPI,抗生剤の投与により症状の改善が得られ,第14病日には前庭部の潰瘍が瘢痕化し,胃壁内気腫も消失した.食事を開始し第20病日に退院となった.胃壁内気腫は消化管壁内気腫の一つであり,その存在は胃壁壊死を疑わせる所見であるため,緊急手術を要すること考えられる.今回われわれは,保存的に治療しえた胃壁内気腫症の症例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する.
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© 2013 日本臨床外科学会
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