日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔内出血で発症しTAEにて止血後待機的に切除した胃平滑筋腫の1例
山村 明寛小野 文徳平賀 雅樹大村 範幸高野 成尚上坂 佳敬
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キーワード: 胃平滑筋腫, 腹腔内出血, TAE
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2013 年 74 巻 11 号 p. 3040-3044

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抄録
症例は65歳の男性で,前日夜より急激な上腹部痛が出現し近医を受診した.待合室にてプレショック状態となり,当院へ救急搬送となった.腹部造影CTにて胃体下部大弯に血腫形成を伴った腫瘤像を認め,腹腔内に液体貯留を認めた.胃粘膜下腫瘍の破綻による腹腔内出血の診断にて緊急動脈塞栓術(TAE)を施行し,右胃大網動脈を塞栓して止血した.その2週間後,待機的に手術を施行した.病理組織所見では,紡錘形の腫瘍細胞が束状に増殖していたが,細胞異型は認めず核分裂像も認めなかった.免疫染色ではc-kit・CD34・S-100さらにDOG1が陰性で,α-SMA・ビメンチン・デスミンは陽性であり,胃平滑筋腫と診断した.胃平滑筋腫が腹腔内出血の形で発症することは非常にまれであり,また本症例では,消化管由来の腹腔内出血に対し,TAE施行後に待機的手術を行ったことは有益であったのでここに報告する.
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© 2013 日本臨床外科学会
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