2013 年 74 巻 11 号 p. 3045-3050
症例は55歳,男性.検診精査で,食道胃接合部近傍に20mm大の管腔内発育型胃GISTを指摘された.ガイドラインに則り,手術適応と判断した.低侵襲性を考慮し,TANKO+1によるreduced port surgeryで腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除術(laparoscopic and endoscopic cooperative surgery: LECS)を施行した.胃壁欠損部の閉鎖は腹腔鏡下縫合技術を用いて閉鎖を行うことで胃壁の変形を最小限に出来た.手術時間は146分,出血は極少量であった.術後の上部消化管造影で変形・狭窄・逆流等はなく,第7病日に退院となった.LECSは,surgical marginを確保し,かつ切除範囲および術後の胃変形を最小限に留めることが可能であり,reduced port surgeryを併施することで機能面・整容面においても低侵襲に施行可能であった.