抄録
症例は48歳,男性.肝障害で受診し,精査の結果Mirizzi症候群と診断した.MRCPでは3cm大の胆嚢管結石が総胆管を圧排し狭窄しており胆管瘻が疑われ,ENBDチューブ留置で肝障害は改善した.手術所見では胆嚢周囲の炎症は高度で,胆嚢頸部を中心に肝十二指腸間膜・十二指腸が一塊となっていた.結石を除去するとENBDが確認でき,胆管瘻は直径1cm,胆嚢・胆管周囲組織は炎症性に肥厚・硬化していて単純縫合閉鎖や胆嚢パッチは困難であった.肝円索を瘻孔部に被覆・縫合し閉鎖,術中ENBD造影で造影剤漏出・狭窄がないことを確認し手術を終了した.術後経過良好で退院し,長期経過も良好である.胆嚢・胆管周囲組織の炎症が高度な場合,胆管瘻に対する肝円索被覆は有用な方法であると思われる.