日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃癌術後8年目に再発したlinitis plastica型大腸転移の1例
紙谷 直毅頼木 領大住 周司吉村 淳島田 啓司
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2013 年 74 巻 12 号 p. 3398-3404

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抄録

症例は58歳,男性.8年前に胃癌に対し胃全摘術を施行,pT2(SS),pN1,H0,P0,CY0,Stage II,組織型は印環細胞癌を含む低分化腺癌であった.2010年9月より便秘を訴え,当科を受診した.注腸造影検査および下部消化管内視鏡検査で,横行結腸脾彎曲部への転移を認め,化学療法の後に手術を施行した.開腹所見では横行結腸脾彎曲部に腫瘍が存在し,浸潤があった空腸・脾臓・横隔膜を合併切除した.病理組織学的検査所見で結腸の粘膜下層から漿膜下組織を中心に低分化腺癌を認め,組織型が一致していることより,胃原発,linitis plastica型大腸転移と診断した.転移性大腸癌は通常のスクリーニング検査では診断できないことが多いが切除可能症例では長期予後が望めるという報告もある.自験例のような晩期転移再発を考慮に入れたフォローアップを行い,可能であれば積極的に手術を行う意義があると考えられる.

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