日本臨床外科学会雑誌
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症例
稀な陥入様式を示した大網裂孔ヘルニア嵌頓の1例
原田 真悠水佐々木 愼米山 さとみ中山 洋渡邊 俊之
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2013 年 74 巻 2 号 p. 572-575

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抄録
大網裂孔ヘルニアは稀な疾患であるが,絞扼性イレウスの原因となり得る.今回われわれは大網裂孔ヘルニアの中でも極めて稀な山口分類B型の嵌頓により緊急手術となった1例を経験した.症例は39歳女性.開腹歴なし.2006年にイレウスを発症し,保存的に軽快した既往がある.2009年3月に上腹部痛が出現し,一旦軽快したが,4月に再度症状が出現し,イレウスの診断で当科紹介となった.腹部CT検査にて小腸の著明な拡張と壁浮腫および多量の腹水を認め,絞扼の可能性を考え緊急手術を施行した.大網は著明に菲薄化し,裂孔が多数存在しており,一部に小腸が嵌頓していた.絞扼を解除し,脆弱な大網を切除した.小腸切除は施行しなかった.術後経過は良好で,術後12日目に軽快退院となった.本症例の大網裂孔ヘルニア陥入様式は山口分類B型であり1983年以降では邦文による本邦初の報告と考える.絞扼性イレウスの原因の一つとして大網裂孔ヘルニア嵌頓を念頭に置く必要がある.
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