日本臨床外科学会雑誌
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症例
局所麻酔下に修復した肝硬変症による大量腹水を伴った臍ヘルニアの4例
山本 海介森嶋 友一小林 純豊田 康義里見 大介
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2013 年 74 巻 2 号 p. 580-583

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抄録
肝硬変による腹水を伴った成人臍ヘルニアは,高率に嵌頓を合併し緊急手術となる可能性が高い.嵌頓を回避するためには,安全に待機手術を行うことが望まれる.今回われわれは,肝硬変症による大量腹水を伴った臍ヘルニア4例を経験したので報告する.内訳は,症例1:49歳女性,症例2:42歳男性,症例3:73歳男性,症例4:47歳女性であり,症例3のみがC型肝硬変症,他の3例はアルコール性肝硬変症であった.手術方法は,局所麻酔下に臍を中心として円状に皮膚切開を行った後,ヘルニア嚢の切除を行いヘルニア門にVentralex Hernia Patch®(以下VHP)を挿入し展開,固定した.合併症は,1例に創部から腹水の漏出を認めたが,重篤なものはなかった.術後1年経過後も全例で再発はなかった.以上より大量腹水を伴う肝硬変症に併発した症例に対しても,局所麻酔下にVHPを使用することで安全に待機的な手術が可能であった.
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© 2013 日本臨床外科学会
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