日本臨床外科学会雑誌
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症例
破裂危険のある内腸骨動脈瘤を合併した高度狭窄を伴うS状結腸癌の1例
宮崎 貴寛田村 孝史榎本 剛史久倉 勝治稲川 智大河内 信弘
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2013 年 74 巻 3 号 p. 750-755

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抄録
大腸癌と腸骨動脈瘤の併存はしばしば経験するが,いずれも早急な治療を要する場合,どちらの治療を優先するかという判断に苦慮することが多い.今回われわれは破裂の危険が高い内腸骨動脈瘤を合併した高度狭窄を伴うS状結腸癌に対して,ステントグラフト内挿術後にS状結腸切除術を施行した1例を経験したので報告する.症例は81歳,男性.下部消化管内視鏡検査で高度狭窄を伴うS状結腸癌と診断された.さらに術前精査の腹部CTで60mmの右内腸骨動脈瘤の合併が判明した.どちらも早急な治療が必要であったが,内腸骨動脈瘤破裂の危険性が高いと判断し,ステントグラフト内挿術を先行し,術後22日目にS状結腸切除術を施行した.経過良好で術後19日目に退院となった.大腸癌と腸骨動脈瘤の合併症例に対し,ステントグラフト内挿術を先行し,その後大腸癌の手術を行うことは,侵襲,治療期間短縮,安全性において有用であると考えられた.
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© 2013 日本臨床外科学会
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