抄録
本研究では、骨格筋の生理的な状態が維持されている生体を対象としてクロスブリッジ動態を検証するため、SPring-8 のX線小角散乱を用いて筋収縮関連タンパク質の構造変化を捉える手法の確立を目的とした。麻酔状態下でラットのヒラメ筋を表出させ、ヒラメ筋の停止部である踵骨の一部を残して切断し、筋力計とモーターに固定した。この状態で電気刺激により筋収縮を誘発している最中にX線を照射し散乱画像を取得した。その結果、筋の横断面の格子構造情報を含む赤道反射 (1.0、1.1反射) は、これまでに広く行われている摘出筋を対象とした実験と比べて同様の値が得られたため、本手法の有用性を示すことが出来た。