抄録
重複胆嚢管は稀な胆嚢管走行異常の一つであり,手術中の胆管損傷の原因となりうる.症例は67歳,女性.検診の腹部超音波検査で胆嚢結石を認め,紹介受診となった.術前のmagnetic resonance cholangiopancreatography (MRCP)検査で重複胆嚢管を疑い,単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.術中胆道造影で胆嚢の描出を認め,右肝管に流入する別の胆嚢管構造を確認し,重複胆嚢管と診断した.
単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は近年急速に普及している手術手技である.重複胆嚢管であっても,術中胆道造影を確実に行うことで胆管損傷をすることなく安全に手術を行うことが可能と考えられる.今までに重複胆嚢管症例に対して単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した報告はなく,若干の文献的考察を加え報告する.