日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸から発生した異所性膵癌の1例
平田 啓一郎天野 良亮木村 健二郎村田 哲洋大平 雅一平川 弘聖田中 さやか
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キーワード: 異所性膵, 癌化, 十二指腸
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2013 年 74 巻 4 号 p. 1066-1070

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抄録

症例は76歳,女性.嘔吐を主訴に近医を受診した.上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に狭窄を認め,生検にて腺癌と診断され,精査加療目的に当科紹介となった.
腹部造影CTにて,十二指腸下行脚の壁肥厚,総胆管の拡張を認めた.膵臓には腫瘤を認めず,主膵管の拡張も認めなかった.原発性十二指腸癌の術前診断で手術を施行した.手術所見は十二指腸下行脚に3cm大の腫瘍を認め,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理診断は,十二指腸粘膜下層~固有筋層内の異所性膵組織から発生した膵癌の所見であった.
今回われわれはまれな十二指腸の異所性膵癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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