日本臨床外科学会雑誌
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原著
乳腺粘液癌における細分類の臨床病理学的意義
柏木 伸一郎浅野 有香渡邊 真央森崎 珠実青松 直撥川尻 成美池田 克実高島 勉小川 佳成小野田 尚佳石川 哲郎若狭 研一平川 弘聖
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キーワード: 乳癌, 粘液癌, 細分類
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2013 年 74 巻 4 号 p. 861-867

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抄録

目的:乳腺粘液癌は,浸潤性乳管癌の成分を含む混合型と含まない純型に分けられる.純型は,hypocellularな純型type Aとhypercellularな純型type Bに細分類される.治療は“予後良好な組織型”として画一的に扱われているが,今回われわれは細分類による個別化した治療戦略が可能かどうかの検討を行った.方法:初発乳癌1,041例,粘液癌と診断されたのは42例であり,細分類を行い比較検討した.結果:粘液癌は42例(4.0%),そのうち混合型は15例,純型type Aは17例,純型type Bは10例であった.また術後再発では,混合型,純型type B,純型type Aの順で有意に再発が多く認められた.結論:粘液癌はNCCNガイドラインにおいても“予後良好な組織型に対する治療”が推奨されているが,本検討からは細分類による個別化した治療戦略を考慮すべきであることが示唆された.

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