日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
臨床経験
胃神経内分泌腫瘍18例の検討
本城 弘貴草薙 洋杉本 卓哉太田 智之加納 宣康
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 74 巻 4 号 p. 880-884

詳細
抄録

胃の神経内分泌腫瘍は胃悪性腫瘍全体の約0.6%と比較的まれな疾患であり,分類や病態・治療に関してまだ確立されていない部分も多い.今回,当院にて1994年1月から2011年12月までに手術した胃癌2,094例のうち病理組織学的に胃神経内分泌腫瘍と判明した18例に関して臨床病理学的検討を行った.2010年のWHO分類ではneuroendocrine tumor G1 1例,neuroendocrine tumor G2 3例,neuroendocrine carcinoma 13例,mixed adenoneuroendocrine carcinoma 1例であった.Neuroendocrine carcinomaは悪性度が高く予後不良であるとされているが,比較的早期の段階で手術を行えば長期生存も可能と考えられた.また非切除例でも化学療法により15カ月生存した症例を認めており,化学療法の有用性も期待できると思われた.

著者関連情報
© 2013 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top