日本臨床外科学会雑誌
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症例
門脈腫瘍栓を認めた十二指腸乳頭部腺内分泌細胞癌の1例
砂原 正男倉内 宣明鈴木 伸作木村 純工藤 和洋下山 則彦
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2013 年 74 巻 5 号 p. 1270-1274

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抄録

症例は74歳,女性.発熱を主訴に近医を受診し,血液検査にて肝胆道系酵素の上昇を指摘され,当院紹介となった.精査にてリンパ節転移を伴う十二指腸乳頭部癌と診断され,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術D2を施行した.術中,リンパ節転移を介した門脈腫瘍栓を認めたため,門脈を切開して腫瘍栓を摘出した.病理組織検査では,十二指腸乳頭部腺内分泌細胞癌,pT4(pDu2,pPanc3),pN1,ly2,v3,pn2と診断された.また,門脈腫瘍栓および転移リンパ節は内分泌細胞癌成分が主体であった.UFTによる術後補助化学療法を施行していたが,術後5カ月に多発肝転移,腹腔内リンパ節転移,門脈腫瘍栓を認めた.CDDP+CPT-11による化学療法を開始したが,術後7カ月で転移巣増悪にて死亡した.十二指腸乳頭部腺内分泌癌は極めてまれであり,本邦報告例とともに文献的考察を加えて報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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