抄録
症例は59歳,男性.黄疸を認め入院となった.血液検査でCEA 9.3ng/ml,CA19-9 75.2U/mlと軽度の上昇を認めた.腹部CTおよびMRIにて膵頭部後面に最大径6cmの腫瘤を認めた.側視鏡での観察時に潰瘍を認め,同部位の生検より十二指腸原発のgastrointestinal stromal tumor(以下GISTと略記)と診断し,膵頭十二指腸切除術(D1)を施行した.病理組織学的検査ではKIT陽性・CD34陽性,核分裂数10/50HPF以上で,高リスク群のGISTと診断された.イマチニブ400mg/日を用いた術後補助化学療法を行った.術後腫瘍マーカーは陰性化し,術後36カ月の時点で再発を認めていない.腫瘍マーカーが高値を示すGIST症例は非常にまれで,また過去の報告から悪性度が高い可能性があり,免疫染色の結果も併せて若干の文献的考察を含め報告する.