抄録
症例は54歳,男性.45歳時に職場検診の胸部単純写真で異常陰影を初めて指摘された.以後毎年検診を受診していたが,著変なく経過観察されていた.今回も同異常を指摘され,精査目的に胸部CTを施行された.左肺底部に胸腔内肺外腫瘤を指摘され,当院外科に紹介となった.PETでは腫瘤に集積像は認めなかった.術前に悪性度の低いsolitary fibrous tumorなどの胸膜腫瘍,横隔膜腫瘍,後縦隔腫瘍などを疑ったが,確定診断は困難であったため,診断と治療を兼ねて胸腔鏡下腫瘍摘出術を施行した.術中に大動脈から腫瘍に流入する異常血管を認めたため肺葉外肺分画症を疑い,これらを一括に自動吻合器で切離し腫瘍を摘出した.迅速術中病理では気管支嚢胞との鑑別が困難だったが,最終病理診断は肺分画症であった.画像的に鑑別診断が困難な胸腔内腫瘍の診断と治療には,胸腔鏡下手術が有用と考えられた.