抄録
転移性肺平滑筋腫は,良性疾患であるにも関わらず,子宮筋腫が肺に転移するまれな疾患で,通常は多発し,単発例は少ない.症例は46歳,女性.36歳時に近医で子宮筋腫に対し子宮全摘術を受けた.健診での胸部X線写真で右下肺野に腫瘤影を指摘され当院を受診した.CT検査では右胸腔内に横隔膜と接する約14cm大の巨大な腫瘤を認め,内部は不均一に造影された.悪性腫瘍を疑い,胸腔鏡補助下に右下葉切除術を施行した.病理組織学的検査では,既往の子宮筋腫と類似の組織像を呈し,免疫染色では ER陽性,desmin陽性であったため,転移性肺平滑筋腫瘍と診断した.術後経過は良好で,後療法は特に行わずに術後18カ月現在,再発なく経過中である.