日本臨床外科学会雑誌
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症例
食道気管支瘻を生じた乳癌食道転移の1例
柳川 雄大吉田 哲也木村 豊渡部 亜実門田 卓士今岡 真義
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2013 年 74 巻 7 号 p. 1832-1837

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抄録

症例は76歳,女性.平成15年5月に右乳癌にてBt+Ax施行した.病理結果は乳頭腺管癌,ER71%,PgR33%,HER2(-),pT4bN1M0,Stage IIIBで,術後CMF療法・PMRTを施行した.平成17年5月に縦隔・頸部・腹部リンパ節転移を認め,ホルモン療法(ANA→LET→TAM)を開始したが,平成22年10月 胸部中部食道に2型腫瘍を認めた.生検結果はGroup V,ER(+),HER2(+)で乳癌の食道転移と診断した.trastuzumab+docetaxel→trastuzumab+vinorelbine→FECを施行したところ腫瘍部に食道気管支瘻を生じ,平成23年8月から肺炎を繰り返したため,食道カバードステントを留置した.その後,trastuzumab+S-1にてステント留置後2カ月目から肺炎発症はなく,その後,約8カ月間良好なQOLを保つことができた.

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© 2013 日本臨床外科学会
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