日本臨床外科学会雑誌
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症例
深達度より十二指腸部分切除術を選択した原発性十二指腸水平部癌の1例
杉浦 謙典藤田 昌久神谷 潤一郎登内 昭彦中川 宏治宮崎 勝
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2013 年 74 巻 7 号 p. 1866-1871

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抄録
症例は52歳,男性.検診にて施行した上部消化管造影検査にて十二指腸乳頭部の腫大を指摘され,精査加療目的に当院へ紹介された.上部消化管内視鏡検査および超音波内視鏡検査にて乳頭に異常は認めなかったが,十二指腸水平部に10mm大の扁平な隆起性病変を認め,同部からの生検結果は腺癌であった.以上より十二指腸癌の診断で,当科紹介となった.低緊張性十二指腸造影検査では,十二指腸水平部に10mm大の隆起性病変を認め,腹部CT検査ではリンパ節転移,遠隔転移を認めず,原発性十二指腸水平部癌と診断し,十二指腸部分切除術を施行した.病理組織学的診断は17×14mm大のIIa+IIc病変であり,中分化型を主体とする腺癌で,壁深達度はMP,リンパ節転移は認めなかった.原発性十二指腸水平部癌の壁深達度MPの報告例はなく,手術術式,リンパ節郭清範囲の統一された見解がない状況であり,今後の症例の集積と過去の報告例の追跡が必要である.
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© 2013 日本臨床外科学会
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