抄録
症例は65歳,男性.下痢,腹痛で近医受診.大腸内視鏡検査にて全周性の直腸癌,ileus状態と診断され,腹部CTにて左後腹膜膿瘍を認め精査加療目的にて当科紹介入院.手術所見にて左骨盤,膀胱に広範な浸潤を認めた.ileus状態,後腹膜膿瘍のため全身状態不良であったことも考慮して横行結腸で双孔式人工肛門のみ造設し,放射線化学療法後に2期的に切除の方針とした.IMRTを用いた放射線化学療法(IMRT 40Grey UFT 300mg+UZEL 75mg/日 28日)施行後,効果判定検査にて著明な腫瘍の縮小を認め,高位前方切除+膀胱部分切除術施行した.切除標本上は,直腸壁肥厚ならびに潰瘍瘢痕を認めたが病理組織学的検査にてGrade 3,pathologic complete response (pCR)と評価された.