日本臨床外科学会雑誌
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症例
Alcaligenes xylosoxidans感染による慢性肝膿瘍の1例
上杉 尚正八木 雄史神保 充孝斎藤 聰高橋 剛郷良 秀典
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2013 年 74 巻 7 号 p. 1979-1983

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抄録
胆嚢摘出術後肝膿瘍を併発し,17年間の病悩期間を有した1例を経験した.症例は63歳,女性.45歳時に胆嚢炎の診断で胆嚢摘出術を施行.術後腹腔内膿瘍を併発し,頻回のドレナージ手術を要した.完治には至らず,肝膿瘍,皮膚瘻を併発した.2011年9月,膿胸に起因する喀血を認め,気管支動脈塞栓術を施行した.慢性炎症の制御には肝膿瘍切除術が必須と判断し,2012年5月,肝切除術を施行した.摘出標本は不整形膿瘍で線維性結合組織に被包されていた.病理組織学的に膿瘍周囲に類上皮肉芽腫を伴っていた.術後急速に症状の改善がえられた.細菌培養の結果,Alcaligenes xylosoxidansが分離同定された.本菌による肝膿瘍の報告は,検索しえた限りでは8例の報告がある.全例,胆嚢摘出術を契機に発症している.長期の病悩期間を有し,予後は不良であった.本症はまれな病態と考えられ,若干の文献的考察を加え報告する.
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© 2013 日本臨床外科学会
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