2013 年 74 巻 7 号 p. 1984-1987
患者は67歳,男性.全身倦怠感と左下肢脱力感で当院へ救急搬送され,精査にて胆石性の胆嚢胆管炎と診断された.腹部CTでnonrotation typeの腸回転異常症の合併を認め,十二指腸の著明な拡張から内視鏡的治療が困難なため,当科にて胆嚢摘出術と総胆管切石術およびT-チューブドレナージ術を施行するとともに,十二指腸空腸移行部の腹膜靱帯を切離して狭窄を解除した.術後経過は良好で,術後第26病日に退院した.検索した限り,胆嚢胆管炎を契機に発見された成人腸回転異常症は報告がなく,文献的考察を加えて報告する.