日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後39年目に孤立性肺転移を切除した甲状腺乳頭癌の1例
宇治 誠人鈴木 正彦浅羽 雄太郎三宅 隆史佐藤 智仁水上 泰延
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2013 年 74 巻 8 号 p. 2077-2080

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抄録

症例は72歳の女性で,39年前に甲状腺癌に対して甲状腺左葉切除術を施行していた.1年6カ月前に右乳癌に対して手術を行い外来通院中であったが,定期検診目的のCT検査で左肺S6に7.8mm大の結節影を認めた.3年前に他科で施行されたCT検査にも同病変がみられ,わずかに増大していた.FDG-PET/CT検査を行ったところ同部位にFDG集積亢進像を認め,悪性肺腫瘍を疑い左肺下葉部分切除を行った.術後病理検査で甲状腺乳頭癌の転移と診断した.
甲状腺乳頭癌の孤立性肺転移は比較的稀であり,特に本症例は術後30年以上経過していたため,術前に甲状腺癌の肺転移と診断することが困難であった.

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© 2013 日本臨床外科学会
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