日本臨床外科学会雑誌
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症例
大網充填術にて治癒した総肝管穿孔を伴った巨大十二指腸潰瘍穿孔の1例
清水 壮一河西 未央小熊 潤也岩崎 靖士岡本 譲二高橋 伸
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2013 年 74 巻 8 号 p. 2166-2171

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抄録
巨大な十二指腸潰瘍穿孔は,術後合併症が多く予後不良な病態である.症例は61歳,女性.背部痛認め非ステロイド系抗炎症剤を内服していたが,食事摂取困難となり来院した.血液検査で白血球 21,900/μl,CRP 22.39mg/dl,腹部CT検査で十二指腸球部に穿孔を認め,肝門部に限局性膿瘍を形成していたため緊急手術を行った.手術所見では十二指腸球部から下行脚にかけての5.5×3.5cm大の巨大な穿孔を認めた.子宮癌および肝癌術後で,腹部に高度な癒着があるため大網充填術を施行した.また,膿瘍内に総肝管の穿孔を認めたため胆道外瘻チューブを挿入した.術後大網充填部からの消化液リークを認めたが,速やかに治癒し術後消化管狭窄も認めなかった.巨大十二指腸潰瘍穿孔の治療法として,大網充填術と胆道ドレナージを併用する方法は低侵襲であり,症例によっては術式の選択肢の一つと考えられた.
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© 2013 日本臨床外科学会
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