日本臨床外科学会雑誌
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症例
神経線維腫症に併発した両側同時性アポクリン癌の1例
倉田 信彦水野 豊森 敏宏宮内 正之
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2013 年 74 巻 9 号 p. 2370-2374

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抄録
神経線維腫症(neurofibromatosis,NF)はcafé au lait斑と多発性神経線維腫を主な身体所見とする常染色体優性遺伝の疾患である.今回われわれはNFに併発した非常に稀な両側同時性アポクリン癌の1例を経験したので報告する.
患者は58歳,女性.左乳房腫瘤を主訴に当科受診.全身に神経線維腫を認め,触診上両側乳房に腫瘤を認めた.精査の結果左は浸潤性乳管癌T2N0M0,右はアポクリン硬化性腺症と診断した.左は乳房全摘,センチネルリンパ節生検,腋窩リンパ節郭清,右は生検を兼ねた円状部分切除を行ったが,病理検査は左右ともアポクリン癌で,右は断端陽性であったため温存乳房全摘術を追加した.NFに併発した乳癌は稀ながら両側発生もあることから,診断においては吸引生検や場合によっては生検を兼ねた部分切除を,手術においては放射線照射による2次発癌の危険性を回避するような適切な外科切除が必要であると考えた.
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© 2013 日本臨床外科学会
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