日本臨床外科学会雑誌
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症例
膿瘍化し十二指腸と瘻孔を形成した直腸癌同時性肝転移の1例
千代延 記道高松 督長野 裕人大司 俊郎嘉和知 靖之丸山 洋
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2014 年 75 巻 1 号 p. 150-153

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抄録
症例は51歳の男性.腹部造影CTにて直腸壁の肥厚と約10cm大の多結節性肝腫瘍を指摘され,外科紹介となった.精査の結果,直腸癌および肝外側区域の膿瘍化した同時性肝転移と診断された.膿瘍化した肝転移を経皮的にドレナージしたところ,十二指腸との間に瘻孔を形成していることが判明した.治療は原発である直腸癌に対して低位前方切除術を施行し,その後に全身化学療法を8コース行い,二期的に肝外側区域切除術および幽門前庭部から十二指腸球部の切除を施行した.切除標本の病理検索の結果,肝転移からの浸潤は胃十二指腸の漿膜までであったが,瘻孔部でのみ十二指腸粘膜直下まで及んでいたことから,同時性肝転移が膿瘍化し,炎症が十二指腸に波及した結果,瘻孔を形成したと考えられた.初診時に膿瘍化し,かつ,十二指腸との間に瘻孔を形成していた非常にまれな直腸癌の同時性肝転移の切除例について報告した.
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© 2014 日本臨床外科学会
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